2015秋イベントとPrinz Eugenに見るドロップ艦の闇

艦これの2015秋イベントが物議を醸している。運営twitterへのリプライにも批判がかなり増えてきた。私は元々批判的な人間なので、観測範囲の違いからそう見えるのかもしれないが、ここでは批判の総数は横に置き、そのような批判の内容について考えたい。

批判の多くはイベント海域よりも、むしろGraf ZeppelinやPrinz Eugenに関する扱いでの不満が目立つように思われる。この2隻はドロップ限定の艦娘である。つまり、このような批判の多くは艦娘掘りという作業を問題視しているようだ。



では艦娘掘りという作業はいつからあったのだろうか。wikiのページを参照すると、最初のイベントからあるようだ。

http://wikiwiki.jp/kancolle/?%B4%FC%B4%D6%B8%C2%C4%EA%BD%D0%B7%E2

このページの下部から見ると、瑞鶴はドロップ限定であったようだ。しかし、この頃はもちろん掘りに対しての批判はほとんど無かったと思われる。では、この頃なかったような批判が、現在運営twitterへのリプライとして噴出している理由は何だろうか。

様々な分析があって然るべきと思うが、私はそれが本実装の遅さに起因するのではないかと推測する。プレイヤーの方は既にご存知の事と思うが、イベントドロップ限定艦の本実装は日に日に遅くなっている。以下にイベントドロップ限定艦のイベント終了時から本実装までの期間を示す(片落ち)。

瑞鶴:13/6/5-13/6/26=21日

伊58:13/8/26-13/9/18=23日

熊野:13/8/26-13/10/16=61日

阿賀野:13/11/27-13/12/24=27日(大型建造)

矢矧:13/11/27-13/12/24=27日(大型建造)

谷風:14/5/9-14/9/12=126日(3-5)

早霜:14/8/29-15/6/12=287日(4-5)

清霜:14/8/29-15/6/12=287日(4-5)

朝雲:14/12/1-15/4/10=130日

朝霜:15/2/23-15/6/2=109日(4-5)

Roma:15/5/18-15/12/7~=203日以上

高波:15/5/18-15/12/7~=203日以上

瑞穂:15/9/7-15/12/7~=91日以上

海風:15/9/7-15/12/7~=91日以上

風雲:15/9/7-15/12/7~=91日以上



このようにして見ると一目瞭然だ。当初は一ヶ月足らずで本実装されていたのが、いつのまにやら場合によっては半年以上待たされるようになってしまった。ちなみに、本実装が今まで最長の艦娘は時津風と磯風で、ともに14/8/29-15/12/7~=465日となっている。ただし、磯風は以前ドロップポイントが設定され、早霜清霜時津風などはイベントでほぼ毎回ドロップしている。

掘りが問題視され始めたのは、筆者の記憶を紐解くと2015年の冬イベントではないかと思う。このイベントでは難易度制が導入され、最高難易度の甲では朝霜を掘るのが困難であった。この頃は2015年秋現在とは異なり、ゲージ破壊後のボス編成はゲージ破壊時固定となってしまう。このような意味で、2015年冬イベントは先行組を(掘りという観点から見ると)殺したイベントであったといえよう。

こういった仕様に対する批判を受けた艦これ運営は、その後のイベントから「ボス編成をゲージ破壊後は前哨戦時の編成に固定する」という仕様を導入した。この判断については、私は全く正しいと思っている。

掘りについての話に戻ろう。掘りについて、明確に義務感が漂い出したのは2015年の春イベントだろうか。このイベントでは、Romaがドロップ限定艦となった。Romaは戦艦であり、戦艦がドロップ限定にされたのはこの時が最初である。これは大型艦として見ても、瑞鶴以来である。

ドロップ限定艦の大半は駆逐艦であり、別にいてもいなくても構わない艦である。気に入れば掘れば良いし、それほど気に入らなければ掘らなければ良い。それが駆逐艦だ。しかし、戦艦は違う。戦艦1隻の存在が、このゲームにおいてどのような役割を果たすかを考えれば、「効率を求めるプレイヤーであれば、資源がある限りは掘るべき」という結論になるのではないか。

こうして、人々は望まぬ掘りに駆り出されるようになった。その結果、プレイヤーはストレスを抑えて掘りを行うようになった。これが悲劇の始まりである。こうした流れは、2015年の夏イベントで瑞穂がドロップ限定にされた事からもわかるように、今でも続いている。

そして、この流れが更に加速した理由は、やはりPrinz Eugenである。Prinz Eugenという艦娘は、2014年秋イベントで実装され、イベント後は入手手段が一切なかった。従って、いつしかPrinz Eugenの本実装は毎回のメンテナンス+アップデートにおける関心事となり、多くの人がいつPrinz Eugenが本実装されるかと、関心を寄せていた。そんな流れで、遂に秋イベント開始時のアナウンスで、Prinz Eugenのイベントドロップが触れられた。

これを受けて、Prinz Eugenを待ち望んでいた人は狂喜乱舞したであろう。しかし、そのような人に対して突き付けられたのは、余りにも残酷な仕様であった。まず、Prinz Eugenのドロップポイントはボスマスではない。従って、まずドロップなしが多い。通常、この界隈におけるドロップ率とはこのようなドロップなしを除いたものである(これを名目ドロップ率と独自に呼ぶ)。実際のドロップ率には名目ドロップ率の半分程度である。

そして、検証によって判明した真実は、更にPrinz Eugen難民を絶望に叩き落とす。その真実とは、丙難易度の輪形陣の編成ではPrinz Eugenはドロップしないというものであった。丙におけるそのマスの編成は3種類あり、輪形陣はその1つである。これは、そのマス到達時点で1/3の確率で戦闘が無意味になるという事である。

もはや滅茶苦茶である。はっきり言って、やっていられる確率ではない。Prinz Eugenの名目ドロップ率は2%と言われるが、最終的なドロップ率は実際には1%もないだろう。ただでさえ連合艦隊で時間のかかる海域で、100周させても出ない可能性が十分あるのだ。

これは、Prinz Eugen難民を傷めつけるだけのものではない。イベント実装艦を取り逃すと、こうなる可能性があるという前例を作ってしまった。既に朝霜で、4-5という「どう見ても周回可能ではない海域にドロップ設定」にするという前例はあったが、ここまでではなかった。


艦隊これくしょんは、もはや艦娘をこれくしょんできるゲームではなくなってしまったのかもしれない。